他人を断罪すること。

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ヤフコメみてると、重い刑罰を望む、とか言って断罪している人が多いけど、個人的にはそういう人ほど、同じ立場になったら、加害者と同様の事をやりかねない人だな、といつも思う。そういう人はニュースを聞いて脊髄反射的に怒りはするが、そこに至るまでの背景は深くは考えず、自分とは全く関係のない出来事として、実際には特にどんな意見も持ち合わせてない人の様に思う。

 

人間が立場の違いによっていかに簡単に変容するか。革命家が権力者を追い落とし、前の権力者以上の横暴な権力者になる、などという事例は枚挙にいとまがない。

 

虐待も全く同じことだと思う。虐待がここまで減らないということは、どの人間にも同じ病理に落ち込む危険性がある、ということ。必要なのは厳罰ではなく、これからそういったことがなるべく起こらなくするために、人をどのように教育するか、虐待が発生するプロセスを研究し、虐待が発生しそうな状態にある家族、あるいはすでに虐待が始まってしまっている家族にどのようなケアを施すのが最適なのかを研究する。そこが一番大事なのではないだろうか。

 

人間、弱いもの。人は何度でも過ちを犯す。また成人したとは言え、自分がその立場になることが初めてのことはいっぱいある。親になること、親を介護すること、その他もろもろ・・・素人はベテランから見たらとんでもないミスを犯すもの。しかしながら、ある意味全員今生きている人は誰一人として死ぬことを経験していないのだから、みんなが人生の素人と言える。そんな人が外野から簡単に他人のことを批判するのは私はあまり納得が出来ない。逆に当事者意識の薄さに驚いてしまう。

 

あんまり説教くさくまとめるつもりはなかったのだが、他人を断罪するのが普通のことのようになってきていて、それがちょっと怖かったので書いてみた。