技能実習制度から見る日本人の二面性

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全く日本人として恥ずかしい話だが、技能実習制度の闇については、より追求されなければならないと思う。NHKなどでもたまに取り上げられるテーマであるが、「コムデギャルソン」や「バーニーズ・ニューヨーク」にすぐ問い合わせをするBBCの記者の行動力は立派だ。

 

日本人の闇

よく日本人は親切だ、とか、日本は治安が良い、という話を聞く。確かに普段生活している限り、落とし物をしたら、帰ってくるケースも多いし、それほど犯罪に巻き込まれる程度も多くはない。

しかしながら、上記の技能実習生の待遇を聞くと、およそ人間の所業とは思えない、人を人とも思わない対応をする企業のなんと多いことか。

これらの話を見聞きして、それでもなお日本人が親切、などと言えるだろうか?

 

私がこの技能実習生の問題に興味を持つのは、この問題がそのまま、日本人の労働環境問題、ひいては企業の在り方の問題に直結していると思うからだ。制度のゆがみ、人間性のゆがみはまず一番の弱者に向かう。そういう意味では、技能実習生の問題は自分とは全く関係ない外国人の問題ではなく、我々一労働者と地続きになっている問題だ。

技能実習生の問題が解決されない限り、ブラック企業もなくならず、過労死問題、ひいては労使のさまざまな問題も解決しないだろう。

 

日本人とは?

それにしてもいつも思うのだが、この日本人の二面性は一体何なのだろうか? 見知らぬ人に親切で、犯罪を犯す割合も少ない日本人。

一方で、過労死という言葉が「Karoshi」として英語の辞書に載ってしまうぐらい他人をぼろ雑巾のように扱い、打ち捨てる日本人。

これは決していい日本人と悪い日本人がそれぞれいるという意味ではない。間違いなく我々日本人は一人の心の中に、このどちらの要素も持ち合わせているのだ。

この日本人の二面性には毎度、初めて体験することかのように驚かされる。日本人の私ですらそうなのだから、夢をもって技能実習生として外国人は全く理解不能なのではないだろうか。

人間の闇の部分は残念ながら取り除くことが出来ない。ただ我々日本人の現状は、その闇があることすら、あえて見ないように、それがあたかも存在していないかのように振舞っているように見える。日本人には日本人独特の負の側面がある。これを認識しておくだけでも、社会は少しだけかもしれないが、良い方向に向かう気がする。